日本人間ドック学会では人間ドックにおける健康診断で必ず行うべき基本的な検査項目を設けているとされています。基本これらの項目で「異常なし」「軽度以上」「要経過観察」「要医療」の4区分が設定されているようです。また、基準範囲に男女差や年齢によるさがあることが明らかになっていても、特定健康診査の判定地や関連する学会から唱えられているものを優先してA判定にしています。①BMIは日本肥満学会の区分に基づいています。②腹囲はメタボリックシンドロームの診断基準に基づいています。③血圧は日本高血圧学会の区分に基づいています。④心拍数は従来の心拍数の一分間に50~100というのは何のエビデンスもなく、おおくの研究から基準値は一分間に45から85であるとされています。心拍数が一分間で75~87異常ではその増加分に比例して心血管疾患のリスクファクターとなっています。⑤視力はランドルト環の切れ目が分かる視力が1,0で正常とし、これをA判定としました。また普通第一種免許などの視力の合格基準は両目で0,7以上です。人間ドック健診では片目ずつの検査なので同じ条件とは言えないが、0,7未満はD判定としました。⑥張力は全体の言葉の聞き取りを中心にとらえるために中音域として1000Hz、言葉とは関係なく、騒音性の南朝の有無を4000Hzで検査します。人間ドックの目的は受診者のありのままの生理的能力を評価することが必要です。4000Hzでの検査は会話するときの音域てゃかけ離れているため言葉の聞こえ方には変わりはないのですが、中音域と高音域はおなじ基準で判定することが望ましいでしょう。⑦呼吸器機能は肺活量で診断します。⑧総たんぱくは日本人間ドック学会から発表された基準範囲と同じです。⑨eGFRは日本腎臓協会での基準としました。⑩尿酸は日本痛風核酸代謝学会では尿酸7,0がボーダとなるのでそこを区分としました。⑪LDLは日本動脈硬化学会によるガイドラインにおける基準値を人間ドックでも採用しました。⑫HDL⑬TGもLDLとおなじガイドラインから基準値を設定しました。⑭AST,ALT,GGTは特定健康診査に準拠しています。⑮血糖値、HbA1cは日本糖尿病学会区分そして特定健康診査区分に準拠しています。⑯赤血球、ヘモグロビン、ヘマトクリット、血小板は学会大規模データから算出された基準を利用しています。⑰CRPは基準値は特に定められていませんが、1,0以上が中等度であると判断しています。
健診による各検査の意義