亜鉛

亜鉛、鉄や銅などと共に「生体内必須微量元素」と呼ばれるミネラルで、牡蠣やレバー・うなぎ・牛肉・卵黄・チーズ・アーモンド・カシューナッツ・抹茶・ココアなどに多く含まれています。この亜鉛は、たんぱく質やDNA・RNAの合成に関係し、成長や発育を促進させたり、免疫能を高めたりします。また、性腺ホルモンやインスリンと言ったホルモンの分泌や機能にも重要な役割を果たしています。加えて、味覚・嗅覚に関係したり、皮膚の新陳代謝に作用して傷の治りを促進したりとその作用は様々あります。このように重要な役割を多く担う亜鉛が欠乏してしまうと、成長遅延・性機能低下・皮膚炎・味覚の減退・脱毛・傷の治りが遅くなる・うつ状態の症状が現れる事が知られています。普通に食事をしていれば亜鉛不足になるという事はないのですが、菜食主義やインスタント食品ばかりの偏った生活・過度なダイエット等では不足しがちなので注意が必要です。亜鉛の低値は、動物性タンパクの少ない食事・低栄養・長期間の高カロリー輸血や経腸栄養などによる摂取不足で認められます。また腸性肢端皮膚炎と呼ばれる手足の先端。目や口の周りがただれたりする病気などの先天的な吸収障害、慢性肝炎・肝硬変などの肝障害に加え、炎症性腸疾患・短腸症候群等による吸収不良による後天的な吸収障害でも低値を示します。低値である場合、下痢を伴う消化器疾患による消化液の喪失、肝硬変・糖尿病・腎疾患・感染症などによって亜鉛が尿中へ多量に排泄された事が疑われます。亜鉛欠乏の症状がみられる場合には、内服薬或いは点滴により所定量の亜鉛を補給することになります。通常ならば10日から2週間ほどで症状の改善がみられると思います。自身で出来る予防としてはやはり、偏った食生活・食事を摂らない・極端にまでダイエットをしない等、食生活の改善だと言えるでしょう。

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