食事指導においてまず大切なのは適切な食事の摂取量ではないだろうか。基本は腹八分目である。また、食事によって摂取する品目の種類は出来るだけ多くなるように心がける。塩分・脂肪は控えめにし、食物繊維を多く含む食品を摂取するように指導を行う。加えて、朝食・昼食・夕食の三食を規則正しくとる事も大切だ。ゆっくり噛んで食べ、エネルギー摂取量をコントロールし、標準体重を維持していく。人間ドックや健診で見つかる生活習慣病の異常として多いものは脂質異常症・肝機能異常・肥満・耐糖能異常・糖尿病・高血圧などが挙げられる。他にも、高尿酸血症・痛風・慢性腎臓病などもみられる傾向にある。これらの病気食事の改善が効果的であるため、人間ドックの後に食事・栄養指導を行っていく事が多いのだ。また、疾病によってその目標は異なってくる。
例えば、高血圧。高血圧における栄養指導としては、食塩制限を6g/日未満としている。平成26年の国民健康・栄養調査の結果より、成人の日本人の平均食塩摂取量は10.0g/日、男女べつに見ると男性が10.9g/日・女性が9.2g/日であると報告された。この数値を引き起こしている一つの要因として、調味料の醤油が寄与していると考えられる。次いで漬物・味噌汁・干物など食塩を多く含む魚やラーメンなどの汁に塩分が多く含まれている為、高血圧の受診者に対しては減塩指導を行っていく必要がある。具体的には、塩味の薄い味に少しずつ慣れていく・食材そのものの旨味を活かした料理にしていく・ラーメンなどの麺類を食べる場合は汁を残すなどの改善を行っていく。
もう一つ肥満・メタボリックシンドロームに対する食事・栄養指導についてご紹介したい。肥満者及びその予備軍に位置する人たちに対しては、エネルギー収支おバランスをマイナスにすることで体重減・腹囲減・血液検査値の改善・血圧低下などを目指して指導を行っていく。ちなみに体重を3%減らすだけでも、血圧の低下や脂質・空腹時の血糖値の改善が見込まれるのだ。加えて、腹囲を1㎝減らすことは、ほぼ1㎏の体重を減らすのに相当する。約7000kcalものエネルギー消費と同等なのだ。具体例を1つ挙げるとする。1か月間で0.5㎏の減量を目標とした場合、1か月で0.5㎏×7000kcalのエネルギーを減少させる必要があり、1日に換算すると120kcalの消費を要することになる。食事の摂取量の制限ないし適度な運動も加えて改善を行うことがより効果的だといえるだろう。

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