肝機能

肝機能は、糖・蛋白・脂質の代謝・不要物の分解や排泄などなど、生命の維持には欠かすことのできない非常に重要な役割を担っているのである。肝臓の特徴と言えば、予備能力と再生能力が極めて高いという点である。

つまり、健康な肝臓は7分の1、即ち13%が働いていれば、生存が可能なのである。
そのため、肝臓にがんが見つかった場合、肝臓の3/4が切除されたとしてもその高い予備能力によって機能維持が出来るという訳だ。このように、肝硬変にまで進行しないと症状が現れないケースが多いため、症状が見られない時期に肝障害を見つけ出すことが大変重要であるといえるだろう。

さて、肝疾患の診断に際して注意すべき点をひとつあげたいと思う。
それは本当に肝臓の疾患であるか否かを確認することである。肝疾患以外にも、逸脱酵素などの異常がみられるケースもあるのだ。①運動後に筋由来の上昇ないし溶血がみられる②トランスアミラーゼがアルカリホスファターゼよりも10倍以上増加しているがトランスアミラーゼ以外の肝機能酵素は正常範囲である③トランスアミラーゼの異常低下がみられる場合などのいずれかが関与していると考えられる。

なお、③の場合はビタミンB6を欠乏させやすくしている病態を考えるのが適当だといえるだろう。主に栄養不足・吸収障害もしくは何かしらの薬物の関与が疑われる。

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