胸水・腹水検査

私たちの胸膜腔や腹膜腔には少量の液体が存在しており、潤滑液の役割を担っている。この液体が病的に増加してしまったものを、それぞれ胸水・腹水という。胸水・腹水が溜まってしまうと苦痛を伴うことが知られている。また、水が溜まった状態というのはかなり病気が進行しているサインである。重篤な肝硬変による腹水だと、心不全や多臓器不全を起こす可能性もあり大変危険だ。胸水・腹水が溜まった時は、胸やお腹に針を刺して胸水・腹水を採取して検査を行う。この胸水・腹水検査と併せて別途必要が検査も行い、総合的に診て病気の診断・病状の把握・経過観察を行っていくのである。先ほど少し例に挙げた肝硬変が腹水を拭き起こすように、腹水・胸水を引き起こしている病気が何なのか突き止める必要もあるだろう。

採取した液体について、肉眼的に観た状態(色・透明度・濁り・浮遊物など)と匂いをまず観察したのち、pH・比重・タンパク質の含有量・赤血球や白血球の有無・細菌検査・がん細胞検査などを行うことで病気の発見に努めるのである。

検査し、診断後は利尿剤や強心剤等で水分の排出を図っていくのであるが、電解質のバランスが乱れてしまわぬように、注意を凝らす必要もあるだろう。

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