尿糖

尿糖とは、尿に漏れ出てくるブドウ糖の事です。ブドウ糖は、私たちの生命活動におけるエネルギー源であり、血液中には血糖と呼ばれるブドウ糖が常に一定に含まれています。血糖はインスリンの働きによって分解されエネルギーへと変わり、残りは二酸化炭素と水になり、体外へと排出されます。通常糖は尿中に出る事はないのですが、身体に異常が起きて血糖値がある程度レベルを超えてしまうと、腎臓から糖が尿へと漏れ出してしまうのです。腎臓では通常、ブドウ糖は糸球体でろ過されて近位尿細管でほとんど再吸収されます。一般に、血糖が160~180ml/dl以上になると再吸収が追い付かなくなり、尿糖に出てくるとされています。ですので、尿糖検査で陽性判定が出るという事は、血糖値が高いか、或いは腎臓での再吸収の閾値が低いという事を示します。ただし正確な血糖値の測定はできませんので、本検査は糖尿病のスクリーニング検査、つまり病気のふるい分けとして用いられています。尿糖があるかどうかは試験紙で調べますが、これを定性検査と言います。また、1日分の尿中に出る糖の量を調べる検査の事を定量検査と言います。本検査は食事の影響を受けやすいですので、検査前の飲食には注意する必要があると言えます。食前に排尿し、糖質を十分に摂り、食後2~3時間後に測定するのが良いと思います。尿糖が陽性だった場合、腎性糖尿を除いて糖尿病または内分泌疾患などによる二次性糖尿病の疑いがあります。そうなると本検査と併せて、血糖値・ヘモグロビンAlcの測定・経口ブドウ糖負荷試験などで診断確定し、原因を検索していきます。糖尿病の場合には、適切な食事と適切な運動を心がけましょう。空腹時の尿糖が陰性であっても、食後の尿糖が陽性なら注意する必要があるでしょう。

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